流量計の不具合類型
今回は流量計の不具合(といわれる症状)についてお話します♪
その前にまず皆さんに知っていて欲しいことは、「本当は流量計は悪くないのにあたかもそれが悪いと言われるケースが大半である」ということです。
以下の表は特に良く起きる不具合時の症状と主な原因のまとめです。
「1.流量計の指示が止まる」の主な原因と対策
流体が流れているにも関わらず、積算流量計の場合は指針や表示値が動かなくなる、瞬時流量計の場合は指針や表示値が0のまま変化しなくなるといった不具合が良く見られます。
これは、配管内にゴミ(スケールやスラッジ)が堆積した結果、流量計の検出部にゴミが詰まり、動かなくなっていることが大半です。
この場合、私の経験上、流量計を分解洗浄すれば、約8割の確率で復帰します。
このようなゴミ詰まり対策として、流量計メーカの取説を見ると「ストレーナの設置」が推奨されており、「①ストレーナの数を増やす」とか「②メッシュを細かくする」などの対策が書かれています。
しかし、配管スペースの制約等で「①ストレーナの数を増やす」ことが困難な場合もあります。また、「②メッシュを細かくする」と、その分圧力損失が上がるので、好ましくない場合もあります。
こういった場合は、上述のように、流量計を分解洗浄するのが無難です♪
流量計の中には、配管部分を外さなくても、検出部のみを取り外せるものが多数存在するため、見かけより手間は少ないです。
「2.指示流量が少ない」の原因と対策
流量計の指示値が少ない場合も、上記1と同様にゴミ詰まりの可能性があります。
その場合は、上記同様、メーカー取説に従い、流量計の分解洗浄を行いましょう。
また、発注時の仕様と異なる仕様(流体の種類・粘度・温度等が相違)の場合、指示値が異なる場合があります。
この場合は、指示値を補正して使用したり、発注時の仕様に近づけて使用する等する必要があります。
「3.指示流量が多い」の主な原因と対策
流量計の指示流量が実流量より多いと思われる場合は、私の経験上「エアーの混入」の可能性が最も高いです。
特に下記のような配管の場合はかなりの確率でエアーの影響を受けます。
エアー混入対策としては、「空気抜き弁の設置」等が挙げられます。
しかし、ここで注意したいのは、空気抜き弁を設置しているからといって必ずしも空気が抜け切っている訳ではないということです。
そもそも配管内が負圧(排気口側に対して)の場合等は、空気抜き弁から空気が混入するといった事態も起こるのが現実です。
これはもはや流量計の話ではなくなってしまいますが、よくある話ですので、配管設計の見直しを十分に行う必要があります。